2011年12月30日金曜日

Romantic au Go! Go!が選ぶ女子映画大賞2011


思いつきで今年から始めることにしたので、やや準備不足。

これは来年から本格的に始めることの、予告として受け取って下さい。

来年からはちゃんとノミネートも含めて発表します。

二組あるものはタイです。


・ベストヒロイン

キルスティン・ダンスト(メランコリア)


 キキ子がラス・フォン・トリアーの映画に出ると聞いたときは本当に心配したものでしたが、これがまさかのホームラン。おめでとう、キキ子。今年映画の中で見た最も美しいブス子はあなたです。


・ベストロマンティック・リード

ガエル・ガルシア・ベルナル(私だけのハッピー・エンディング)


 映画自体は何というか、「癌で早死にしようとも、人生最後の男がガエル・ガルシア・ベルナルの私は勝ち組」というような内容でしたが、ガエル君はここしばらく見なかった感じの可愛らしさに溢れていました。ヨーヨーのコレクションが趣味のシャイな医師の彼に、私もワカモレを作ってもらって死にたいものです。


・ベストカップル

シャーリーズ・セロン&パットン・オズワルト(ヤング≒アダルト)

ミラ・クニス&ジャスティン・ティンバーレイク(ステイ・フレンズ)


 シャーリースとパットンのコンビは『河口』の岡田茉莉子と山村聡に匹敵する、男とか女とかを超えた素晴らしい相性の良さを見せて、かつ泣かせたので。

 ミラとジャスティンはからっとしたセクシーさとケミストリーで、ああこの二人はベッドで楽しいんだなあと納得させた。ほぼ同内容の映画に出たナタ子とアシュトン・カッチャーとはえらい違いでした。


・ベスト親友

セス・ローゲン(50/50)


 ウィル・レイザーが癌になったと告白した時、セス・ローゲンは大笑いして言ったそうです。「お前さあ、それで脚本書けよ!」宛書きなので、セスがいい役なのは当たり前。日本でもこれと『宇宙人ポール』で彼の株が上がったのは嬉しい限り。

 これでセスを好きになった人に是非、『Funny People』を見て欲しいです。彼が片思いをしているのはオーブリー・プラザ演じるメガネ女子。意を決してウィルコのコンサートに誘った後、彼女が自分の親友のジェイソン・シュワルツマンと寝てしまったと知ったときの表情は素晴らしかった。彼女が開き直って「あんただって街中で好きな女が裸でいたらヤルことヤルでしょ」(←うろ覚えだけどこんな感じ)というと、彼は一言。「俺だったらその子にまず服を着せるよ。それからウィルコのコンサートに誘うんじゃないかな」遅ればせながら、これを2009年度のベスト愛の告白に認定したいと思います。


・ベストゲイアドバイザー

ウディ・ハレルソン(ステイ・フレンズ)

キーラン・カルキン(スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団)


 ゲイのアドバイザーというクリシェを超えて素晴らしかった二人を選出。ウディはマッチョなところが、キーランは醒めた視線が素晴らしかったです。エマ・ストーンはキーランと別れてアンディ・ガーフィールドと付き合うなんてどうかしています。


・ベストふられ役

オーウェン・ウィルソン(幸せの始まりは)

エレン・ウォン(スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団)


 オーウェン・ウィルソンはどう考えても三角関係において不利なパーソナリティなのに、彼自身の魅力で勝負を五分五分に持ち込むそのスター性がすごかった。絶対にリース・ウィザースプーンはポール・ラッドの方に行くと分かっているはずなのに、ぎりぎりまでオーウェンを選ぶんじゃないかと思わせる、その引力で『ミッドナイト・イン・パリ』を大ヒットさせたんですよね?

 スコット・ピルグリムはナイブスの方が、と言っている男子も多いが、私はそう思わない。あの役はふられてなんぼで、ふられた時の潔さで成長を見せる役なのです。


・ベスト悪役

ブライス・ダラス・ハワード(ザ・ヘルプ、50/50)


 損な役をチャーミングに演じて新境地を演じた今年。数字が稼げる女優であることも証明したので、またシャマランと組んで『レディ・イン・ザ・ウォーター』のような傑作を撮って下さい。


・ベストブレイク

アナリー・ティプトン(ラブ・アゲイン)


 『ラブ・アゲイン』で彼女を発見した人、悪いけれど遅いよ! 私はANTMに出ていたときから好きだったぜ! 


・ベストファッション

ミラノ、愛に生きるのマダム・ファッション&ジャージ


 さらっとシンプルなワンピースとフェラガモの靴、バーキンを合わせて嫌みにならないのが本当のイタリアン・マダム。お金持ちの風俗&ミラノ観光気分&おいしい料理&若い男との情事&文学趣味、全てを兼ね備えたこの作品にはベスト「文化村おばさん映画」も贈呈。


・ベスト料理

フライド・チキンをはじめとする南部料理とチョコレート・パイ(ザ・ヘルプ)


 人参のグラッセなど、他にもおいしいそうな料理がいっぱい。ただし、見た後はしばらくチョコレート・パイは食べられなくなるかも。この映画のエマ・ストーンには「ベスト少女小説ヒロイン」を差し上げたい。


・ベストデート

病院の霊安室デート(永遠の僕たち)


 『ミルク』の時から五歩六歩も後退して、結局お前の作品は脚本家次第かよ!と思わせたガス・ヴァン・サント、同じ『ハロルドとモード』オマージュ作品ならば『サブマリン』の方が十倍もいいよ!と言いたくなるガス・ヴァン・サントですが、まあミア・ワシコウスカのレトロ・ファッションが可愛かったから我慢します。何か褒めていないですね。


・ベストラブシーン

ポラロイドカメラで連写しながらのキス(サブマリン)

「ダーティ・ダンシング」のリフトの真似(ラブ・アゲイン)


 どちらも真似したくなりますが、後者は双方に立派な腹筋がないと無理です。


・ベスト愛の告白

「いつか君にパンケーキを焼いてあげる」(50/50)


 明らかに料理が出来ない女子(アナ・ケンドリック)への殺し文句。


・ベスト作品

メランコリア

ヤング≒アダルト


くわしい感想はここここに。


2011年12月16日金曜日

営業報告

 現在発売中の「ケトル」で『アラフォー女子のベイビー・プラン』について書いています。

 フラウの読書日記で取り上げた本は以下の通り。

 綿矢りさ『かわいそうだね?』

 ショーン・タン『遠い町から来た話』

 アンソニー・ドーア『メモリー・ウォール』

 サム・ワッソン『オードリー・ヘプバーンとティファニーで朝食を』


 来年の二月十八日、朝日カルチャーセンター新宿教室にて、『文化系のためのヒップホップ入門』も好評な長谷川町蔵君と共に「アメリカ学園映画ガイド2012年版」というタイトルで講座を行います。
『ハイスクールU.S.A.』刊行以降、2006年から現在まで流れを二人が語り尽くします。是非是非いらして下さい。

 来年三月二十四日、プランタン銀座のエコールプランタンで「ロマンティック・コメディに見るハッピー・エンドの法則」という講座をやります。是非ともこちらにもいらして下さい。電話でのお申し込み・お問い合わせは電話03-3567-7235。

ヤング≒アダルト



 『メランコリア』と並ぶ今年の私のナンバー1作品である。
 アメリカのティーン向けの小説であるところのヤング・アダルト・ノヴェルの中には、シリーズ物としてえんえんと書き継がれていくものがある。出てくる車種や小道具といったディテールは同時代のものに書き換えられどんどん新しくなっていくのに対して、そのシリーズの主人公たちは年を取ることなく、永遠に中学/高校生活をおくるのである。
 こうしたシリーズ物の継続は作品のフランチャイズ化といえる。ヤング・アダルトのシリーズは、ある時点で最初にそれを書いた作者の手を離れる。最初の作者は「クリエイター」という名目で表紙に名前が残るが、
実際には小説を書いているのは原作の人物設定や舞台を引き継いだ別の書き手である。その書き手の名前は表紙の見返しなどに「Story by」というクレジットで小さく載るのが通例だ。
 映画『ヤング≒アダルト』の主人公メーヴィスはこの「ヤング・アダルト・シリーズのストーリー担当」である。「ヤング・アダルトのゴースト・ライター」という設定がぴんと来なかった人にも、これで彼女の立場が分かるだろうか。つまり、ストーリーを書いているメーヴィス本人も、ヤング・アダルトの登場人物たちの終わることのない青春の囚われ人なのだ。同じところをぐるぐる回っている。先に進むことはない。彼女はミネアポリスから自分の故郷であるミネソタの田舎町に帰るとき、昔の恋人がくれたミックス・テープのカセットから、ティーンエイジ・ファンクラブの「The Concept」を繰り返して聞いている。何度も何度も。テープがすり切れるくらい巻き戻して。
 田舎から脱出して、曲がりなりにも出版界で働いているメーヴィスは、故郷の同級生から見れば成功者の部類に入るかもしれない。でも、映画冒頭で描かれている彼女の生活を見れば、メーヴィスがまともな大人とはいえないことが分かる。食事も性生活もすさんでいるし、着ている服からして子供っぽい。女子高生のような金色のハートのネックレスをつけている。そもそも住んでいるところも、ロスやニューヨークのような大規模な都会ではなく、ミネアポリスという中途半端さである。この映画で、ミネアポリスが「リトル・アップル・シティ」と呼ばれていることを初めて知った。
 高校時代のボーイフレンドに子供が生まれる、というニュースをきっかけに、メーヴは彼を取り戻すべくミネソタの故郷に戻ることを決心する。
 元彼のバディは既に高校時代の人気者の面影はなく、ただの田舎のおじさんになりさがっているのだが、メーヴィスにはそんなことは見えない。彼女には自分しか見えていないのだ。メーヴィスが鏡に向かってお化粧するシーンが何度も出てくる。
「あの頃の私は最高だった」と言う彼女にむかって、パットン・オズワルト演じるマットはこんなことを言う。
「君は(高校時代)ハート型の鏡しか見ていなかった」
 今も彼女は変わらず、高校時代の女王様の気分でいる。同級生たちは大人になり、誰もまともに彼女なんかの相手をしてくれない。メーヴィスにつきあってくれるのは、高校時代にロッカーが隣だった負け組のマットだけだ。何故ならマットもまた、とある理由で永遠に高校時代に「足止め」されてしまった男だからだ。
 マットのことを考えると涙が出そうになる。彼は望んでもいないに、心ない田舎の同級生たちによって、ずっと子供のままでいることを強制されてしまったのだ。マリオ・バルガス=リョサの「子犬たち」を思わせる残酷なエピソードだ。大人になれない彼はフィギュア作りに熱中し、ガレージでバーボンを密造する。彼がメーヴィスに向かって言う「(あの頃は自分史上)最高の僕だったのに」という言葉には胸が砕けそうになる。
 マットがピクシーズのTシャツを着ているのが象徴的だ。メーヴィスが繰り返して聞くティーンエイジ・ファンクラブ。サントラに収録されたベルーカ・ソルト。90年代のロック・ミュージックはここでは、大人になりきれない人々の心理を象徴している。これは『Juno/ジュノ』の時から変わらない、ディアブロ・コディ/ジェイソン・ライトマンのコンビ作に見られる、自己批判の傾向だ。
 しかし二人は、メーヴィスを残して大人になっていく同級生たちにも容赦ない。彼らもまた、惨めに描かれている。この物語では小さな町の高校を卒業した誰もが等しく敗者なのだ。
 ディアブロ・コディとジェイソン・ライトマンは共にジョン・ヒューズ信奉者として知られている。メーヴィスとマットは、『ブレックファスト・クラブ』のクレアとブライアンが大人になった姿のようだ。主人公たちは三十代後半であるが、これは学園映画である。
 『ヤング≒アダルト』は、ジェイソン・ライトマンの前作『マイ・レージ、マイ・ライフ』のようには人々に受け入れられないだろう。これは口当たりのいい成長物語ではないからだ。ディアブロ・コディは大人になれない女の物語を描きたかったという。ジャド・アパトーの映画を筆頭として、今のハリウッドには大人になれない男のドラマが沢山ある。基本的に、大人になりきれない男はチャーミングな憎めない存在として描かれる。でも、同じような性質を女性の主人公に与えたらどうだろう。メーヴィスのように痛ましくて、愚かで、とても見ていられないヒロインが出来上がる。それがビターで聡明な女性作家にしか映し出せない、真実の姿なのだ。
  どこまでも苦いこの映画の結末を見て、私が思い出したのはアガサ・クリスティの傑作『春にして君を離れ』だった。観客の期待と反するようなこのラストについて、主演のシャーリーズ・セロンはこんなことを言っている。「友達が何度も何度も同じ過ちを犯すのをみんな見ているでしょ? “今度こそは変わってみせるわ!”なんて嘘っぱちなのよ」 
 それでも、この映画を通して成長する人々もいる。主人公に自分を投影したというディアブロ・コディがそうだ。ここ数年はつまらない美人女優であることから逃れようと、認められたいというエゴ丸出しで役を選んできたシャーリーズ・セロンも、初めて自分に合った役を見つけて大きく躍進した。パットン・オズワルトのように彼女を輝かせた相手役もいないだろう。そのオズワルドも、シャーリーズ・セロンというスターの相手を堂々と務めたことによって、主演男優の貫禄を身につけた。
 メーヴィスとマットの絆は「月曜日がやってきたら」もろく壊れてしまうかもしれない。しかしシャーリーズ・セロンとパットン・オズワルトは映画の撮影を通して親友になった。ゴッサム賞でシャーリーズの紹介スピーチをしたパットン・オズワルトを彼女は退場させず、自分のスピーチの間、彼の腰に腕をまわして離さなかった。


2011年12月13日火曜日

彼女へのクリスマス・プレゼント


 ボーイズの皆さん、彼女へのクリスマス・プレゼントはもうチョイス済みでしょうか?

 もしもまだだったら、美しい本+αのこんなプレゼントはいかがでしょう?


 今年のクリスマス・プレゼント洋書の本命、『Design Sponge at Home』Kate Spade×RMKのハンドケア・セット。ズーイー・デシャネル・タイプの彼女に。





 モーヴ色のクロスの表紙の『The Little Dictionary of Fashion』。ディオールによるファッションのA to Z解説本は、本棚よりも香水壜と並べてドレッサーに置かれるのがふさわしい小さな本。フォーレのボックス・セットと共に、フランスのエスプリを愛する女子に。


 ピンクに金文字、スウィートな中身の組み合わせ。パブロ・ネルーダの『Love Poems』にシャボネル・エ・ウォーカーのピンク・シャンパン・トリュフ

 愛の告白を兼ねたプレゼントなら、「13ページを読んで」と一言添えて。




 ジャズ・エイジ的な華やかな組み合わせ。ペンギンのスコット・フィッツジェラルド・コレクションとBobbi Brownのパーティ・シマー・ブリック



2011年12月6日火曜日

営業報告



 来年の二月十八日、朝日カルチャーセンター新宿教室にて、『文化系のためのヒップホップ入門』も好評な長谷川町蔵君と共に「アメリカ学園映画ガイド2012年版」というタイトルで講座を行います。
『ハイスクールU.S.A.』刊行以降、2006年から現在まで流れを二人が語り尽くします。是非是非いらして下さい。

 来年三月二十四日、プランタン銀座のエコールプランタンで「ロマンティック・コメディに見るハッピー・エンドの法則」という講座をやります。是非ともこちらにもいらして下さい。電話でのお申し込み・お問い合わせは電話03-3567-7235。
 気になったので、ツイッターでも「好きなロマンティック・コメディ」を募ってみました。結果はこちら。「ウェディング・シンガー」と「ユー・ガット・メール」が二強、アダム・サンドラーとドリュー・バリモアが新ラブコメキング&クィーンであることが判明。

この季節に見たいロマンティック・コメディ『媚薬』。決して恋に落ちないはずの魔女が恋に落ちたら…フラットアイアン・ビルディングでのキス・シーンがキラー!

(ホリデー)メモ



・ニューヨークの感謝祭恒例、メイシーズのパレードに登場したミュージカル「Newsies」のキャスト。SYTYCD(アメリカン・ダンス・アイドル)シーズン5のエヴァン・カスプルザック君も出ています。可愛い男子たちがハンチングとニッカーボッカー姿で、アラン・メンケンのスコアで歌い踊る…ジャニーズ事務所はこのミュージカルの権利をおさえておくべきではないでしょうか。



・試写で見た『ペントハウス』にもメイシーズの感謝祭パレードが出てきます。実はこの映画、ノー・クレジットでノア・バームバックがベン・スティラーの台詞をリライトしているそうです。ベンの役が『グリーンバーグ』と似たような神経質男子なのは、多分そのせい。

・しかし感謝祭に見たい映画No.1といえば、「アダムス・ファミリー2」ですよね。最高のシーン!



・ズーイー・デシャネルの「New Girl」。ジャスティン・ロングが登場の回には、「よりによって一番セクシーじゃない祝日に男を呼ぶなんて!」て台詞がありました。

・今年のクリスマス・アルバムの本命、ミシェル・ルグラン翁の『Noël ! Noël !! Noël !!!』。ゴージャスなアレンジが素晴らしい。ルーファス・ウェインライト、マーデリン・ペルー、ジェイミー・カラム、ミーカ、エミリー・シモンといったボーカル陣も素晴らしい。彼らがボーカルを引き継ぎながら歌うオリジナル曲の華やかな迫力ったらない。




・こちらの(ニキ先生とその旦那による)オリジナル曲もまた、クリスマス精神に溢れていて素敵です。Gleeのクリスマス・アルバム

・クレア&リーズンズの「Last Christmas」

・私のfinetuneのMix Tape for Holiday Season

・アメリカのデパートのクリスマス・ディスプレイを集めた本。この時期になると出してきて眺める。

・クリスマスからニュー・イヤーズ・イヴまで。冬が一番輝く季節。こんなティアラをかぶってニュー・イヤーズ・イヴ・パーティをしたい。

・クリスマスプレゼントにどうぞ。ヴィンテージブック仕様のiPhoneケース+お財布

・タヴィちゃんがミンディ・カーリングとママに捧げて、ジョニ・ミッチェルの「Case of you」を弾き語り。君ってほんと、世界一クールな十五歳だよね。