2010年12月30日木曜日

今年見た劇映画ベスト10




1.キック・アス
1.ブラック・スワン
3.Greenberg
4.ローラーガールズ・ダイアリー
5.ブライト・スター
6.ファンタスティックMr.Fox
7.ソーシャル・ネットワーク
8.プリンセスと魔法のキス
9.サムウェア
10.ジェニファーズ・ボディ

 一位は同点。今年は女子映画豊作の一年でした。私にとっては『キック・アス』も女子映画!(『キック・アス』についてごちゃごちゃ言う人は「ダークナイト病」にかかっている、と個人的には思っている)いい作品が多過ぎて、『17歳の肖像』も『わたしを離さないで』も入らなかった。キャリー・マリガン大好きなのに。『Greenberg』は時間が経つほどに自分内の評価が高まった映画。日本公開希望。
 「劇映画」にしたのは、ドキュメンタリーにも優れた作品が多くて、別立てにしたいと考えたから。ベスト5は1.『ドロシー&ハーブ』2.『フード・インク』3.『ベンダ・ビリリ』4.『アムステルダム国立美術館へようこそ』5.『ソウル・パワー』

 劇場で見た旧作でよかったのは
『花つみ日記』『むかしの歌』『阿寒に果つ』『音楽喜劇 ほろよひ人生』『進め!ジャガーズ敵前上陸』『クレージー黄金作戦』『恋人』(良さま追悼)『閉店時間』『夜の熱帯魚』『斑女』(ヘンな映画だったが、色々忘れがたい)
 …ほとんど全部神保町シアターで見た。DVDですが、芦川いづみ様主演の『誘惑』と『硝子のジョー』も本当に素晴らしかったです。

2010年12月26日日曜日

12/13-12/26のベスト10



悪魔に食われろ青尾蠅/ジョン・フランクリン・バーディン

 精神病院を出たばかりのハープシコード奏者のヒロイン。彼女の思考は過去と現在、幻想と妄想と現実を行き来して、最後には…って、まるで『ブラック・スワン』の音楽家版。こちらの抑圧者は母ではなくて父だけど。音楽の描写も素晴らしく、冷たい官能に溢れた作品。創元推理文庫の暗黒乙女クラシック部門に強力な作品がまたひとつ。今年は『狙った獣』とコレが読めて幸せでした。

・大野雄二&ルパンティックオールスターズ 目黒ブルースアレイ

 山中千尋さんにお誘いいただいて、素敵なライブに行って来ました。いやー、数々の名曲を素晴らしい演奏で聞けて感動。五右衛門のテーマの尺八の音は、フルートで出していることを初めて知った。それをオリジナルの演奏者で見られるとは! 大野先生のピアノ・プレイに痺れました。

・赤坂プリンス

 バブル時代にカップルたちはこの場所に何を夢見ていたんですかね、ということを検証しに泊まってきました。同じ日、『英国王のスピーチ』を銀座に見に行ったら、有楽町西武の(世にも悲しいネーミング)ハッピーエンド・セールに、死骸に群がるハイエナのように人が押し掛けていた。ルブタンのパテントのメリージェーンが五万くらいで打ち捨てられていたので迷ったが、ここで何か買うと自分の運気が落ちるような気がして、恐ろしくてやめた。プリンスはもう閉館が決まっていてヤケなのか、細かいところで色々行き届いていない感じが気になったけれど、昭和の大学生たちにはこの内装のちょっとライトな感じが有り難かったのかもしれない。それにしても壊すかなー。ちゃんとリノベして作り直せばいいのに。自分とは縁のなかったバブル、その遺物の最期を看取った気分。

・Power Shot S95

 これで来年はここをもっと写真ブログにしていきたいと思います!

カンディンスキーと青騎士展

 初期の風景画の中に揺らめくアシッドな色彩が、抽象として弾けて飛び散るまでを追って検証したような展示。これらの作品をナチスから守って、評価に貢献したガブリエーレ・ミュンターのポップな画風と、夭折したアウグスト・マッケの年風俗をとらえた作品も気になった。

Collection 25cm/Juliette Greco

 Nyronでディタ・フォン・ティース様が最近のお気に入りの曲として、グレコの歌うゲンズブール曲「ストリップティーズ」を紹介。カール・ラガーフェルドの依頼でパリでストリップした時、この曲が使用されたそうな。それはなんてお洒落な…。アルバム自体も、真夜中に聞くのにぴったりのシックな内容。

『サムウェア』

 そろそろソフィアはキルスティンのプロモビデオとホテルを舞台にした自伝的作品以外のものを撮るべきだと思いつつ、エル・ファニングの美しさに負けました。グウェン・ステファニーの「クール」にあわせてフィギュア・スケートをするシーンと、プールの中で逆立ちをして水面に美しい脚をすっと出すところなんかクロエ派の私も思わず昇天。もうひとつ素敵だったのは、六十年代のハリウッド映画みたいに名前のないモデルや通行人にいたるまで美女を揃えたところ。双子のポール・ダンサーも可愛かった。それとスティーブン・ドーフ演じるスター俳優がミシェル・モナハンと並んで写真撮影するシーンで、当たり前のようにセッシュウ(身長合わせの台に乗ること)していたのがおかしかった。

『恋とニュースのつくり方』のエレイン・カウフマンのカメオ出演

 セレブリティと文化人の社交場として名高いレストラン「Elaine's」のオーナーのカメオ出演は、ハリソン・フォード演じるアンカーマンがつまり「Elaine's」の常連という、ヒロインからするとやや古い特権的文化サークルに属していることを示す、非常に重要な一場面なのであった。(『ジュリー&ジュリア』のときみたいにトリビア扱いでパクるんじゃないよ某サイト!)エレイン・カウフマンは12月3日に死去したので、色々と感慨深いシーンになっている。

お2人様旅 みひろ×かすみ果穂写真集

 バルセロナ旅行をしている二人がお互いを撮り合ったプライベート写真集は、驚いたことに「Baby Baby Baby」のファンにもアピールしそうなクオリティの高さ。可愛いね、女の子同士で馬鹿やるのっていいね、って素直に思わせてくれるイイ写真ばかり。将来的に70年代の『イッピー ガール イッピー』とか、そういう文脈で見直されそうな一冊だと思う。

・22丁目の奇跡

 アメリカでサンタクロースの住所とされているチェルシーのアパートに暮らすゲイ・カップル。彼らが自分のもとに届いた沢山のサンタ宛の手紙をどうしたかというと…泣ける。


営業報告

来年の三月二十六日(土)一時半から、プランタン銀座のエコール・プランタンにおいて、「ウィンプスター」がテーマの講座をやります。詳細&申し込みはこちら。今年はツイッターでも随分つぶやかれていたこの言葉、映画を引用しつつ色々とその生態について解明していきたいと思っています。

ユリイカの臨時増刊号
「総特集=村上春樹『1Q84』へ至るまで、そしてこれから…」に寄稿しています。

「本の雑誌」の新刊案内と「FRaU」の連載で取り上げた本は以下の通り。

『オリーヴ・キタリッジの生活』エリザベス・ストラウト
『昼の家、夜の家』オルガ・カトチュク
『無限』ジョン・バンヴィル
『オラクル・ナイト』ポール・オースター
『ローカル・ガールズ』アリス・ホフマン
『図鑑少年』大竹昭子
『酔って記憶をなくします』

「CDジャーナル」では年間ベスト5のCDとDVD部門に参加。「アメリカ学園天国」では
『グレッグのダメ日記』を取り上げています。今年のDVDスルー映画の上位に入る大変に面白い子供映画です。『プチ・ニコラ』になかった全てがここに。『キック・アス』でファンになった皆様、クロエちゃんもギンズバーグの「吠える」を愛読する文化系中学生として登場ですよ!

「Spur」のDVD案内連載では「元カノ話が止まらない」男が主人公の新作と旧作を紹介しています。ま、ようするにウィンプスターですね。

2010年12月25日土曜日

11/30-12/12のベスト10



先週と先々週の私

・DE LA FANTASIA
 私としたことが、前回のベスト10に入れ忘れていました。
 クレア&リーズンズが少人数なのに、たゆたうような、あの優雅なサウンドを再現していて感動。そしてクレアとヴァン・ダイクによる「ヒー・ニーズ・ミー」と「悪漢と英雄」。伝説的な一夜だった。

・橋本平八と北園克衛展/世田谷美術館
 最終日前に飛び込みで。北園克衛ワークスはそれなりに知っていたつもりでも、兄の彫刻家のことは何も知らなかった。木彫りの小像に心奪われて、なかなか弟のコーナーまでたどり着けなかった。北園克衛のグラフィックはそれ自体が詩。帰ってから、自分の本棚にある北園克衛仕事(『キャンディ』『八月はいじわるな月』『現代アメリカ短篇選集』)を引っぱり出して、展覧会の余韻にひたる。

・ブラックスワン
 まあみんなアロノフスキーがリメイク権おさえたというあの映画と比較して語るのだろうけれど、「信用出来ない女子語り手のニューロティック・サスペンス」として、この映画もあの映画も(表現も含めて)正統派。こうした話のオリジンで、アロノフスキー本人が元ネタと認めているドフトエフスキーの「分身」を背景にして見るべきなのだろう。でもそんなことと関係なく、始終青筋立ててがんばるナタ子とか、Rodarte協力のバレエ衣装とか、山岸涼子のマンガから抜け出て来たとしか思えないヴィンセント・カッセル、ベタな抑圧描写を楽しむべきだよ。インスタント暗黒乙女クラシック(やや笑いあり)。『キック・アス』と並ぶ今年のベスト1映画。マシュー・リバティークのカメラはバレエ映画ファンには違和感があるだろうが、バレリーナが舞台上で経験する恐怖と陶酔を本人目線から描くという意味では正解だと思う。

・Tammy/ホリー・ファレル
 バービー展で華やぐ銀座。同時期に古いビルディングのギャラリーでひっそりと行われた展示。花柄の壁をバックにしたタミーのポートレートが飾られた空間には、人形で一人遊びをする少女の部屋に間違えて入ってしまったような、インティメイトな雰囲気があった。

・Kate Spade:She is Quick and Curious and Playful and Strong
 Kate Spadeのニューヨーク本店でも売り切れのお宝アイテムを、青山店で発見。有名な古書店Strandとのコラボ商品で、オレンジの函に新進女性作家の筆による短篇が書かれた五冊の小冊子が入っている。その内の一冊、非常にチックリットっぽい一編を読んでいるところを、後にBook Spyされた。

Encyclopedia of the Exquisite:An Anecdotal History of Elegant Delights/Jessica Kerwin Jenkins
 美しきもののトリビアと歴史が書かれたコーヒーテーブルブック。装釘もカバーを外した本体の赤い表紙も美しくて、女子のベッドサイド・テーブルに常にあるべき本だと思う。「気球」「枕草子」といった項目も洒落ていて楽しい。

・タキシード・ジャケット
 一枚欲しいなと思っていたところ、Rugbyでちょうどいいサイズのを見つけました。驚異的に何にでも合う。

・M.A.C Russina Red
 前からマットな深紅の口紅の決定打が欲しいな、と考えていた。『ブラック・スワン』でナタ子がノニーからそんな口紅を盗むのを見て衝動買い。ディータ・ヴァン・ティーズ姉さんのフェイバリット口紅ですが、コレ塗るだけできっちりメイクしているように見えるので嬉しい。

・極道すき焼き
 
『文士料理入門』に出てくる宇野千代レシピを試す会を開催。すき焼き肉に割り下とブランデーをかけて馴染ませ、生卵をからめてからホットプレートで焼き、ひたすらその肉をばかりを食べる。これだと野菜も他のものも抜きで肉だけが食べられてしまう。千代ったら肉食。

・Top Chef
 過去七シーズンの人気シェフを集めたオール・スター・シーズン。その二回目のチャレンジが面白かった。ニューヨークの自然史博物館が年に一度催す子供たちのお泊まり会のためのお菓子作りが最初のチャレンジだったが、お泊まり会だわ、ジョー・ジョナスは来るわ、甘いものはもらえるわで子供たちはテンションが上がりすぎてヒステリー状態に。シェフたちがうんざりしたところに、審査委員長のトム・コレキオが現れて一言、「君たちもお泊まりだ!」熊の剥製が展示されている部屋に簡易ベッドを並べて眠り、翌日の朝食チャレンジにそのまま突入という流れだったが、多くのシェフがクサる中、一部男子たちが子供のように興奮して、懐中電灯片手に夜の博物館ツアーに行っていたのがおかしかった。

2010年12月1日水曜日

営業報告



現在発売中の「Yom Yom」で岸本佐知子さんと女子にお勧めの翻訳小説について対談しています。


「Spur」で今号からミニ連載が始まりました。映画欄で「新作」とそれに連なる「名作」を並べて紹介する「女子のためのクラシックDVD案内」、よろしくお願いします。


「CDジャーナル」はアメリカ学園天国の番外編。いよいよ公開の『キック・アス』について語っています。

11/05-11/29のベスト10

先週と先々週の私

・箱根旅行

 東海林さだおを読みながらロマンスカーに乗り、内風呂が露天という素敵な旅館で紅葉の山を見ながらのんびりお風呂に浸かって、おいしいものを食べて、翌日はロープウェイに乗って、芦ノ湖の遊覧船に乗って、山のホテルで遅いランチ。リフレッシュしたー。

・羽田空港

 「羽田モール」って感じで、中高年で溢れていたレストランフロア。でも、ハイファイセットとかいしだあゆみの曲とか、常盤新平が描く「ミス・ニューヨーカー」とか、かつての「国際空港時代の羽田」の華やかさを久しぶりに味わえた。フード・コーナーのセレクトの鋭さは伊勢丹並みでした。とてもシックなパッケージの資生堂パーラーの限定品はおすすめ! 

まかないこすめ

 羽田で買いました。ハンドクリームともち肌洗い袋がお気に入り。
 
・Book Spy(Togetter &)

 Twitterで私が始めたハッシュタグ。鍵付きの時に個人的やっていたのを、ニューヨークで「Cover Spy」というアカウントで雑誌編集者がやっているのを見て、自分の過去分を公開&ハッシュタグ化。今ではいろんな人が参加してくれています。

・Twee Grrrl Club Grrrls Talk Release Party at Vacant

 ゲストで参加しました。Twee Grrrl Clubの女の子たちは、かわりばんこに好きな七インチをかけて、パーティ・ドレスではしゃいで、まるでパジャマパーティみたいにDJするんだな。カップケーキを食べながら風船の舞うフロアで女の子たちが踊る姿、まるで絵に描いたようでした。

85 Minute with Whit Stillman

 12年ぶりに新作映画「Damsel in Distress」を撮るホイット・スティルマンのインタビュー。NoHoの80年代レトロなカフェレストランに白いポロシャツの襟を立てて現れ、「氷の入った冷たい飲み物は飲めない」「人と握手した後はかならず手を洗う」という期待を裏切らない上流階級もやしっこぶりを披露、更には七月開始予定だった撮影を、「夏のニューヨークで仕事は出来ない」と十月に延期…本当に映画は完成するのか? 今度こそぽしゃらないか? 彼の旦那芸映画を愛する者としては不安だが、まあそこがスティルマンらしくもある…。

Kay Thompson:From Funny Face to Eloise/Sam Irvin

『パリの恋人』の編集長、そして絵本『エロイーズ』の作者として有名な彼女だけど、もちろんそれだけではない。今のところは、仕事に必要な箇所だけ抜いて読んでいるだけど、もう面白いエピソードばかり。晩年はライザ・ミネリが彼女を自宅に引き取って面倒を見ていたことを知って、私の中のオカマが号泣。

狙った獣/マーガレット・ミラー

 元祖ニューロティク・サスペンス! 財産を相続した孤独な女にかかってくる脅迫電話。ホテル、モデル・スクール。クィアな香り、そして詩的なラストの一文。落ちは途中で割れたけれど、そんなことは問題にならなかったくらい面白かった! こういうムードって大好き。

Baker Bounce

 六本木ミッドタウンではなく、三軒茶屋の本店に行ったのは初めて。ご近所のアメリカン・ダイナーって感じの、いなたい店構え。チーズバーガーにフライドエッグのトッピングをつけました。

・「今日の料理」の平野レミ

 ハイテンションで飛ばしまくる伝説の回。しかし、彼女のレシピで作ったバーニャカウダとカブのエコスープはおいしかった。次はマグロッケを作りたい。