2010年10月31日日曜日

営業報告



 現在発売中の「Spur」で「恐るべき少女たち」というタイトルで新進少女スターたちを紹介しています。クロエ・モレッツやエル・ファニングはもちろん、日本ではまだあまり知られていない歌手、モデル、作家、フォトグラファーなど、十代の注目株について書けて、私自身も楽しかったです。

 CDジャーナルの「アメリカ学園天国」では『ジェントルメン・ブロンコス』を。私は今後も邦題は使いません!


 そして快進撃を続けるTwee Grrrls Clubによるコンパイル・アルバム、「Grrrls Talk」のリリース・パーティでゲストDJをすることになりました。11月26日の七時から、場所は原宿のVACANTです。

 えー、私が最後にDJをしたのは映画『恋は邪魔者』公開記念にCLASKAで行われたパーティ(七年前だよ!)で、その時は九十分くらい一人で回してご満悦で、「素敵ホテルのラウンジでラウンジDJをする」という夢が叶って、これをハイライトとしてDJは打ち止めにしていたのです。嘘です、単に機会がなかっただけです。もともと単なるつなぐだけDJだった上、長年やっていないので大層不安です。応援に来て下さい。いや、私の応援でなくてもきっと素敵なパーティになるはずだと思うので、皆さん是非いらして下さいね。

10/18-10/31のベスト10



ここ二週間の私。

古賀春江の全貌 神奈川県立近代美術館葉山

 モダニズム! コラージュ的な絵画の元ネタまで公開してくれた素晴らしい展示。時代の風をはらんで疾走して、この世を駆け抜けてしまった画家…ていうか、同時代のモダン文学の作家も夭逝が多い。みんな、その後の日本なんか目撃したくなかったんだろう。この時期の日本文化が一番好きだ。私もオリジナルを持っている「放浪時代」も飾られていて嬉しかった。

 久しぶりだったけれど、本当に神奈川県立近代美術館葉山は素敵なところだとしみじみ感じた。併設のカフェテラスでずっと海を見て時間をつぶしていたい。
 海岸へと通じる風情のある道は、拙著の『乙女日和』でも撮影に使いました。100ページ目の後ろ姿の写真は本人です。六年ぶりに記念撮影してみた。

 
・新江ノ島水族館

 その後、車で新江ノ島水族館へ。実は片瀬海岸に六年間住んでいたので、高校–大学時代はお馴染みの地元スポット。(友達の接待に使う)だけど、新しくなってからは初めて来た。やっぱりクラゲのコーナーはファンタスティックで素晴らしい。これだけでも見る価値あり。近いうちにまた行きたい。素晴らしい夕日が海に光の道を作るところも見られて、本当にいい休日だった。

・Vampire Weekend Studio Coast

 前回の代官山UNITよりも、客のレスポンスも、本人たちの演奏も全然良くて盛り上がった。ラスタム一人芝居の影は薄れてバンド!って感じがしたよ。

 これも聞きたかった。ボスのカバー。




Bored to Death
 
 ジェイソン・シュワルツマン主演の素人探偵もののTVシリーズ。昨年からずっと見たい!と言ってたのが、DVDになった。ブルックリン、フォート・グリーン当たりの雰囲気が本当によく伝わって来て、それだけでこのドラマを愛してしまう。相当なウィンプスターであるジェイソンのキャラもまた良し。こういう気の利いた脚本/演出/ロケハン/選曲のドラマって日本にはない。次にブルックリンに行った時は、このドラマのロケ現場を巡ろう。

"Bored To Death" title design from pivic on Vimeo.



ブロードウェイの天使たち/ラニアン

 昨年、どこかの古本市で買った古本を今更読んでみた。ラニアンは1930年代にアメリカで人気があった作家で、フランク・キャプラもここに収録されている短篇から『一日だけの淑女』を作り、後に別のラニアン作品から『波も涙も暖かい』を撮った。ニューヨークを根城にするしがないチンピラたちの粋でセンチメンタルな、この上ない「いい話」。何たる名手。日比野克彦の表紙もよくて、ちょっと肌寒い、人恋しい秋の日に読むのにぴったりだ。読むロケーションとして、水道橋のバーガー・ショップ、I-Kousyaをお勧めしたい。アメリカの大衆食堂って感じの店構えが、作品の世界観にぴったりだから。

・In The City

 Beamsが創刊した文芸誌。同時代のMcSweeney's的なものを狙っているのかな? ペーパーバックのような判型と、エイドリアン・トミネの表紙はいい。あと、片岡義男がフレッシュネス・バーガーを美的に詠んだ詩、星野智幸の短篇も軽やかで悪くなかった。でも、ニューヨーカーをトーキョーでやるなら、もっと都市小説的なものが欲しい。(それこそ、30年代におけるラニアンみたいな)それと、翻訳ものが一本欲しいね、どうしても。

・キック・アス(二度目)

 二度見ても本年度ベスト1の座は揺るがない。二度見て分かることも多かった。映画前半でさりげなく、クライマックスの戦いの場であるマーク・ストロング邸の全貌を見せているところとか。『今夜はトーク・ハード』との相似性とか。

・S Darko

 DVDダイレクトの『ドニー・ダーコ2』…当然ダメなんだけど、死ぬほど可愛く成長したデビー・チェイスのアイドル映画とし、捨てがたい魅力があるんだよ! 舞台が西海岸になったせいか、ちょっとフランチェスカ・リア・ブロックの小説みたい。ガス・ヴァン・サントのロード・ムーヴィの少女版みたい。デビーがプールに落ちるシーン、人魚姫ドレスで隕石が降る夜にピクニックをするシーン、常にチャック・バス・クオリティのエド・ウェストウィック、エド・ウェストウィックがブリアナ・エヴィガンを自転車の前に乗せて田舎町を走って行くシーン、デビーとブリアナが赤いストローで一緒にソーダを飲むところ、デビーがかけているハート型サングラス…。ジャクソン・ラスボーンも可愛いし、『君とボクの
虹色の世界』のジョン・ホークスはいい仕事をしているし、雰囲気はいいんだ。『ドニー・ダーコ』の続編だと思わなければ…。

S Darko予告編


・グリルしたナスのスープ

 ここのレシピで作ってみました。素晴らしくおいしい。グリルする時間も、煮込む時間もレシピより短めでも全然いけます。私はスパイスにクミンを加えてみました。

・タモリジャズライブ@早稲田大学稲門祭2010


2010年10月20日水曜日

10/04-10/17のベスト10



ここ二週間の私。大部分は風邪で寝込んでました。簡単にメモ書き。

・ルーファス・ウェインライト JCBホール

 眠くなったという評判もある第一部だけど、私はアルバムの世界観をより深く理解出来てよかったと思う。最初ゆっくり登場するところは能を意識していたのかな。時間を超えて、冥界からやってきた使者のような。第二部は弾き語りセットで出来る曲ということで、前回は聞けなかったセカンドからの曲が聴けて嬉しかった。特に「グレイ・ガーデンズ」は思い入れの深い曲なので、感激ひとしお。

・ソニー・ロリンズ 東京国際フォーラム

 ジャズ・ジャイアンツを見られるだけでよしとしようと思ったのに、何と素晴らしいプレイだったのでしょう。生きる歓びそのもののようなアンコールの(ストーンズがライブで「サティスファクション」をやらなきゃ帰れないのと同じで、彼もこれをやらないわけにはいかないのだけど)「セント・トーマス」の音色が今でも鳩尾あたりに残って響いているような気がする。おまけに関係者に紛れて楽屋まで行って記念撮影までしてきたのだから、罰当たりです。

岡上淑子「夜間飛行」シス書店

 多くの人と同じく、私も世田谷美術館の瀧口修造展でこの人のコラージュに恋をしたのだ。木造アパートに隠れた秘密の小箱のような美しい空間で再会出来てよかった。この秋の乙女の必修科目をひとつクリア。

香水瓶の世界 東京都庭園美術館

 この秋の乙女の必修科目をもうひとつクリア。日月堂で実際に手に取らせてもらったラリック作の瓶と、ガラス越しの再会。日月堂の佐藤真砂さんも言ってましたが、「香り」というのは形がないものだから、そのイメージを伝えるために職人たちが技術を尽くすと、瓶のフォルムとそのネーミングが文学の域にまで達してしまうこともある。瓶の底に残った琥珀色の物語の数々。ゲランの「夜間飛行」の瓶を見て、中学生のときにこの香水をモチーフに使った中井英夫の「夜翔ぶ女」を読んで、この香水に死ぬほど憧れたことを思い出した。

・山中千尋
『Forever bigins』

 せつなさが大波でどっかんとくるようなアルバム。「チェロキー」の大胆さと近藤真彦の「サマー・ウェーブ」の美しさにしびれました。

・みつめていたい! 若尾文子 神保町シアター

 中高年男子が駆けつけたあやや映画祭。私が見たのは『女が愛して憎むとき』(オープニングタイトルのあややが素晴らしく美しい。そして私は田宮二郎がスクリーンで見られれば満足だ)『鎮花祭』(枕元の「ハーパース・バザール」、川崎敬三と打ち合わせするのは銀座コロンバン、これからあややの華麗なるCMガール人生が、と思ったら! 珍作)『八月生まれの女』(あの宇津井健と川崎敬三なら帯に短したすきに長しだなあ)『閉店時間』(一番見たかったBGもの。『大都会の女たち』と比較してみると面白い)。一番面白かったと評判の『銀座っ子物語』は風邪で断念した。

・げいしゃわるつ・いたりあの/有吉佐和子

 あやや主演『閉店時間』の原作話から、ツイッターの私のTLで有吉佐和子のプチ・ブームが。いい機会だから金沢のオヨヨ書林で買ったこの本を読んでみた。大胆な配色の表紙は佐野繁次郎。芸者の踊りに入れあげたイタリア系アメリカ人が彼女たちのブロードーウェイ公演を企画したことから始まる騒動記なのだけど、外国人」、彼の通訳兼秘書となった素人娘、踊りの師匠など、様々な人が絡むことで多面的に花柳界が浮かび上がってくる面白い仕掛け。効率的なところもあれば、割り切れないこともある、やはり哀愁もある。そんな芸者の世界をかいま見たような。着物の描写も華麗で楽しかった。話題に上がった『悪女について』や『青い壺』、『仮縫』も読んでみたい!

Grrrls Talk/twee grrrls club

 話題の女子DJチームによるインディ・ポップのコンピュレーションは、素晴らしく力の入ったブックレットも含めて、他愛ない、だけど深い、到底捨ておけない、そんな女の子の夢や世界観がぎゅっと詰まっている。ティーンの時に新星堂でクレプスキュールのレコードを漁ってた私みたいに、このコンピで音楽に目覚める若い女子が沢山いますように。

・ナチ・ハンターズ
 アドルフ・アイヒマンなど、海外逃亡して潜伏したナチスの戦犯を追いつめて捕まえる人々(主にモサドのスパイ)のドキュメンタリー・シリーズ。面白い。ヒストリー・チャンネルで放映中

31 秋のフレーバー

 マジカル・ミント・ナイトに魔女のトリック。ネーミングも色合いも、パチパチキャンディが弾けたり、バブルガム味だったりするテイストも何だかエイティーズ★フレーバー。「新宿アドホックの31でアイスを買ってギフトゲートの巨大キティの前で食べると恋が成就する」そんな伝説がお似合い。ハロウィン・サンデーとバラエティ・パックも可愛い!

2010年10月16日土曜日

営業報告

風邪でボロボロ。
とりあえず仕事のまとめだけでも。
ものすごく遅くなりましたが、(もうすぐ新しい号が出ちゃう)「CDジャーナル」で現在公開中の『シングルマン』について、「リバティーンズ」三号で『リトル・ランボーズ』について書きました。
現在発売中の「新潮」にミランダ・ジュライについて岸本佐知子さんと三省堂のトークショウで話したことが採録されています。(この号の表紙のカラー、ミランダ・ジュライっぽい!)
「FRaU」の読書日記と「本の雑誌」の新刊レビューで取り上げた本は以下の通り。
チマンダ・ンゴズィ・アディーチェ
『『半分のぼった黄色い太陽』
マリーナ・レヴィツカ
『『おっぱいとトラクター』
クレール・カスティヨン
『『だから、ひとりだけって言ったのに』
ポール・ドーティ
『『ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン』
ジークフリート・レンツ
『『黙祷の時間』
ウィリアム・トレヴァー
『『アイルランド・ストーリー』
ミランダ・ジュライ
『『いちばんここに似合う人』
三浦丈典
『起こらなかった世界についての物語』

INAXの本屋で見つけた『起こらなかった世界についての物語』は、今年の収穫のベスト5には入ると思う。本当に素晴らしい本です。

2010年10月4日月曜日

09/26-10/03のベスト10


 先週のわたし。
 早稲田の青空古本市にも寄りましたが、買ったのは一冊のみ。

森鴎外と娘たち展 世田谷文学館
 名久井さんデザインによるチラシがうっとりするほど可愛い。鴎外が子供たちに宛てた手紙や幼い杏奴が茉莉に宛てた手紙など、家族の交流を物語る展示はみんな面白かったが、大人になってからの茉莉と杏奴の関係はやはり分からずじまいだった。そして何より心に残ったのは(愛読書の)ビッグ・コミックの束が背後に描き込まれた森茉莉の自画像。

バウハウス・テイスト バウハウス・キッチン展 パナソニック電工汐留ミュージアム
 バウハウス関連の展覧会は多いが、これは同校の女生徒たちの仕事に大きなスポットを当てているところが面白かった。織物工房で作られていたドレス、復刻して欲しい。復元されたキッチンで撮影が許可されていたのも○。海野弘の『モダン・デザイン全史』を読み直そうと決めた。 

愛おしい骨/キャロル・オコンネル
 
『クリスマスに少女は還る』に劣らない傑作。魅力的な登場人物ばかりで、あらゆる人の行動と心情が気になって、胸にこたえて、なかなか読み進まなかった。特に家政婦のハンナ…! ハリウッドで映画化するならイヴリン・ストラウブはキャスリン・ターナー。日本なら石田えり。そしてメイヴィス・ハーディはマツコ・デラックス。

・R.I.P.トニー・カーティス
 さよなら、長いまつげのプレイボーイ。『お熱いのがお好き』『スパルタカス』『成功の甘き香り』、名作は数々あれど、私はやっぱり『求婚専科』や『ボーイング・ボーイング』『ピンクの豹』といった作品の彼が好き。

M.A.C. Venomous Villians
 二ヶ月前、Nyronの記事で知ってからずっと気になっていたM.A.C.のディズニー悪役コレクション。クルエラをイメージした真っ赤な口紅が気になっていたのだけれど、発売日の午後に買いに行ったらあらかた売り切れ。狙っていたもので手に入ったのは白雪姫の魔女のチーク。悔しいのでその日はそのままTOP SHOPでメイク用品を買い込んだ。こちらもパッケージが可愛くて満足。

はり重の牛肉のみそ漬け
 食べ頃になった10月3日に食べました。みその味が濃厚でおいしかった。次はカレーショップでビーフカレーを食べたいです。


・Gentlemen Broncosの狂った衣装
 俺は絶対に絶対に邦題は使わない。ジャレッド・ヘスの美意識と画面設計に対するこだわりはウェス・アンダーソンと同格。ただし全てがおかしな方向に傾いている。ホーム・スクールの子供たちの微妙過ぎる私服に、ジェニファー・クーリッジ扮する主人公の母がデザインする悪夢のようなナイト・ガウンの数々が本当に素晴らしかった。今年のナンバー1映画衣装の座はもう揺るがない。ただし、まったくファッショナブルではない。
 予告編



My Life as Liz
 テキサスに住む文化系女子高生の日常を追ったリアリティ・ショウ…風ドラマは、学園物としてこの上なくよく出来ている。リアリティ・ショウの体裁を取りながら、リズ・リーのモノローグで話が進むというセオリーの無視っぷりがむしろ痛快。最終回目前のプロム・エピソードはまるで『プリティ・イン・ピンク』!

Project Runway Season 8 モンドー、涙の告白
 (恐らく二年後)WOWOWで放映されたら、また見て泣くと思います。

Top Chef Just Desserts Season 1 チアリーダーvs.グリー部 ベイクド・セール対決
 エミー賞をとったBravoの人気番組のスピン・オフ。レッドフックの素敵なお菓子屋さん、bakedのパティシエがエントリーしているので応援したい。この回は学園映画みたいな要素もあって最高に面白かった。パティシエたちが二組のチームに分かれて、チアリーダーのサマー・キャンプとグリー部のニューヨーク遠征の費用獲得のために戦う! わずかの差でグリー応援チームが負けて、「しょせん負け組は負け組」ムードが漂ったところで、「費用はどちらの部にも提供します!」 ウェディング・ケーキで名高いシルヴィア・ウェインストックが、チャレンジで失敗して泣いているパティシエに「たかがケーキよ、死ぬ訳じゃないわ」ってなぐさめたのにもホロリときた。