2009年9月30日水曜日
営業報告
これ、すごく面白い本だった。ちなみに著者のジャネット・ハーシェンソンとジェーン・ジェンキンスはジョン・ヒューズの『フェリスはある朝突然に』や『大災難P.T.A』のキャスティングも担当していて、その時の話も出てきます。私が感動したのは、『プリンセス・ブライド・ストーリー』に出演したアンドレ・ザ・ジャイアントの話。泣ける!
そしてCDJの「アメリカ学園天国」はもちろんジョン・ヒューズ追悼。
サヴィでは例の「ブロマンス」映画『四十男のバージン・ロード』を取り上げています。
それと、豊崎由美さんが「TVブロス」で『イー・イー・イー』についてとても素敵な評を書いて下さいました。
「…その偽悪的なまでにあられもない嫉妬ぶりは、たしかに中二病チックです。でも、幼稚で甘ったれた反発心の陰から、時折すごくきれいでナイーブな魂が恥ずかしそうに顔をのぞかせるんです」「この小説を、すべてのうまくいっていない若い人たちに熱烈推薦いたします」
ところで。新作『アメリカン・アパレルで万引きを』が雑誌BUSTで絶賛されていたり、レベッカ・ブラウンやミランダ・ジュライが彼を支持していたり。ある種の文化圏にいる女性がタオ・リンのファンになるのはどういうことでしょう。
これほどまでに世間への呪詛にまみれた青年でありながら、そういう男子が陥りがちなミソジニー的な要素がまるっきりないせいでしょうか。こういう小説で十五歳の少女が出てきたら萌えキャラと相場が決まっているのですが、そういうファンタジーを女の子に負わせないで、まったく主人公と同等の迷える、面倒くさい、でも愛すべき少女をちゃんと構築したことは、(本国の書評でもあんまり出てこないけれど)評価されて然るべき。
タオ・リンの短編集、『Bed』には女子視点のいい作品が何編かあります。そのうちの一本は、『イー・イー・イー』に出てくる「デニーズで働いているアンドリューの元同級生」が主人公です。
さよなら、ミミ・ウェデル

彼女のドキュメント、『Hats Off』。

人生最後の日々に、彼女はなんと輝いたことだろう! 心より冥福をお祈りします。
2009年9月28日月曜日
The Like2.0

私は「お嬢芸」が好きなので、愛するザ・ライクは一枚限りの幻のガールズ・バンドでもいいかなーと思っていたのですが、いつの間にかシャルロット・フレームが脱退、新しいベースにキーボードまで加わって、ザ・ライクは四人組バンドに進化を遂げていたのだった!
キーボードのレニ・レイン嬢はソロでも活躍している実力派。ザ・ライクはお手伝い感覚なのかな。myspaceで聞ける新曲はどれも60年代ガールズ・グループやLuv'd Onesなどのガールズ・ガレージ・バンドを思わせる。シャングリラズをはじめとするガールス・グループの大ファン!というドラマーのテネシー嬢の趣味が前面に出た感じ。鍵盤が入ったこともあって、テネシー父のバンドにも似てきた感が…。「悪意という名の街」マナーで「恋はあせらず」リズムを使った「He's not a boy」とか好きですけどね。あと「Narcissus in a red dress」ってのはいかにもZ・バーグっぽいセンスの曲名。マイブラなファーストと音が違い過ぎるって? いいじゃない、女の子は気まぐれなんだから!
現在、アークティック・モンキーズのオープニング・アクトでツアー中。
2009年9月23日水曜日
ミランダ・ジュライのエキストラ・コスプレ


(from Vice Magazine)
親愛なるジュリー
自分の人生なのにエキストラみたいな気分になったことってある? 背景に永遠に縛り付けられてしまったみたいに、他の人が私が心の内で思っていることをしたり喋ったりしているのを見るの。いつの日か私の才能でみんなをびっくりさせてやるんだわ。みんなそれで笑ったり泣いたり、私がウザイと感じるくらいにメールをしてきたりするようになるのよ。では、そんな時が来るまで。
サンディー
「映画のコスプレ写真」は数多くあれど、ミランダ・ジュライがVice Magazineのために撮ったのは、「映画の背景にいるエキストラのコスプレ写真」。泣ける! そう、いつだって主役の陰にひそやかな別の人生がある。
2009年9月22日火曜日
2009年9月16日水曜日
トム・フォードの映画
62年のカリフォルニアを舞台に、七年前の恋人の死の謎を追い続ける同性愛者の大学教授の暮らしぶりを描く。主演はコリン・ファース。脇でちらっと出てくる美青年は『アバウト・ア・ボーイ』の子豚少年だったニコラス・ホルト。ハンサムに育ったねえ。『MADMEN』+ゲイ・ツイストって感じ。とりあえず、お洋服と(メガネ)は最高そう。というか、トム・フォードの映画に他に何を期待するというのか。
オープニングとエンド・タイトル
素晴らしいサイト。
MOVIE TITLE STILLS COLLECTION。
その名の通り、20年代から現代に至るまでの映画のオープニング・タイトルとエンド・タイトル(と予告編タイトル)のキャプチャーを集めている。
これはゴダールの『ウィークエンド』


(from MOVIE TITLE STILLS COLLECTION)
見ていくと、80年代以降の映画ではエンド・タイトルがない方が一般的であることが分かる。近年の例外は『グラインド・ハウス』。
営業報告

平出隆『猫の客』
大竹聡『中央線で行く東京横断ホッピーマラソン』
赤塚不二夫『週刊文春「ギャグゲリラ」傑作選』
スーザン・カンデル『少女探偵の肖像』
エルサ・モランテ『アンダルシアの肩かけ』
パオロ・ジョルダーノ『素数たちの孤独』
アーヴィング・ステットナー『パラダイスの乞食たち』
2009年9月15日火曜日
コラージュがある部屋とスクラップ・ブック

Untitled (salon with notepad) (Richard Heller Gallery)

Desktop Boogie (Richard Heller Gallery)
びっしりと小さなイメージが並ぶCharlie Robertsの作品がすごく気になる。
ここは私の大好きなRachell Sumpterの作品も扱っている。
ニューヨーク・メモ
食べたいチョコレート。

オーガニックのカカオ豆を、アンティークの臼でひいて昔ながらの製法で作っているメキシカン・チョコレート。写真はチリ・チョコレート。固まりを削ってホット・チョコレートやモレ・ソースを作れる。クッキーやケーキに入れても。サイトにレシピあり。ダーク・チョコレート・プディング!作ってみたい。
プロスペクト・ハイツのBKLYN LARDERにて入手可能。
2009年9月13日日曜日
2009年9月9日水曜日
An Education

いま、最も楽しみな文芸映画『An Education』。
オックスフォードを目指す十六歳の女の子が、三十代後半の裕福な男に見初められ、「教育」をほどこされ、自分の人生を見失っていく。
これはオブザーバー誌の辛辣なインタビューで知られ、「悪魔のバーバー」と恐れられているリン・バーバーの自伝を映画化したもの。
この苦い「教育」は、少女小説の普遍的な題材だと思う。
映画の脚本を担当しているのはニック・ホーンビィなので、「無垢な少女を自分のものにして救われたい/でも自分によって壊された少女は無垢でないのでもういらない」という男性側の心理も相当表に出ているに違いない。
主演のキャリー・マリガンは今、私が最も期待する若手女優。英国映画はようやくリタ・トゥシンハム以来のアイコンを手に入れたのではないだろうか。キャリーが少女のうちに、イギリスの少女小説は全部彼女で映画化すればいいさ! (でも実はもう24歳なのか…)舞台で『かもめ』のニーナをやって大絶賛だったのもうなずける。


当然、原作は翻訳されるんだよね?
A Song for Ellie Greenwich
2009年9月8日火曜日
Violet and Claire
7インチのアナログ盤、ミックス・テープ、靴、お洋服、手作り感溢れるアクセサリーにロッキンな雑貨小物。しかも場所は宇田川町のノア渋谷。
だって、英国でやっぱり会社を辞めた女の子が一人でやっている素敵なオンライン・ショップ、Supermarket Sarahと同時代性を感じるもの!

こういう、D.I.Yな女の子の夢がぎゅっと詰まった小部屋みたいな感じは、普遍的でいつもいつも新しい。
店主のSUMILE嬢は女子ばかりのDJチームTwee Grrrls Clubでも活躍中。「インディ・ミュージック好きな全ての女の子の気持ちを代弁し、退屈なボーイズたちに中指を立てるRIOT&DIYな精神の掲げるDJチーム」!ですよ。ここが出しているzineがキュートで生意気でまた素敵なんだ。今月中に新しい号が出るのかな?
VIORET AND CLAIREのレーベル第一弾はTHEORETICAL GIRLの「THE BOY I LEFT BEHIND」の7インチ! しかもアコースティック・バージョン。オリジナルよりも私は好き。買い逃したら後悔すること必至。Facebookのオフィーリア
しかしその構築の面倒さ故にいろんな広がりがあるのもまた事実。アメリカでは最近、こんな本が発売された。

これは有名文学の作者や登場人物がFacebookにいたら? というユーモア・ブック。シェークスピアの作品や『オデュッセイア』、『大いなる遺産』『グレート・ギャツビー』『ライ麦畑でつかまえて』といった作品の筋がニュース・フィードで表され、別の作品の作者や作中人物のコメントが差し挟まれたりする。『不思議の国のアリス』で姿が大きくなったり小さくなったりして混乱するアリスに、ピーターパンが「大人にならなくていいんだよ!」と呼びかけた時は、作者のルイス・キャロルの他にアンデルセンやハンバート・ハンバートが押しかけて「その通りだ!」と合唱していた。もちろんグレイス・スリックも現れて「Go ask Alice」と語りかける。
ジェイン・オースティンは登録した途端、大勢の人にフレンド申請されて当惑顔。彼女のアクティビティはこんな感じ。
・ジェイン・オースティンさんが「クルーレス」のファンになりました
バージニア・ウルフはこう
・バージニア・ウルフさんが「ブルームスベリー」グループを作りました
・バージニア・ウルフさんが「自分だけの部屋」のファンになりました
・バージニア・ウルフさんがニコール・キッドマンに「いいね!」と言ってます。しかし、あの付け鼻は果たして必要だったのでしょうか?
・バージニア・ウルフさんがエドワード・オールビーを恐れています。
(Facebookの書式はうろ覚え)
また、こんなのも。
アーネスト・ヘミングウェイさんの「男の中の男」検定の結果は40%です。時々ジムに行くように心がけて下さい。
あなたと同等の男らしさの人:アシュレイ・ウィルクス(風と共に去りぬ)、イシュメル(白鯨)、ジョナサン・スウィフト、ハリポのロン
彼らのスコアを目指して頑張って下さい。あなたより男らしい人:ドストエフスキー、クイークェグ(白鯨)、ドン・キホーテ、ジョセフ・コンラッド、豚のスクィーラー (動物農場)
(しかし、「ヘミングウェイはヘタレ」という共通見解はいつこんなに強固になったのか?)
(「本当は日記をつけちゃいけない人」グループに入っている)ハンバート・ハンバートのページは過激でFaceBook当局に怒られてばかり、ジョナス・ブラザースとHSMのファンで好きな映画は『ウェストサイド物語』というジュリエットのページはトウィーンのギャル趣味炸裂、『フランケンシュタイン』のモンスターはプロフィール欄の「好きなテレビ番組」に『Nip/Tuck マイアミ整形外科医』を挙げ、ジェーン・エアは「Hardknock life」(Jay-Z版の方か?)をくり返し聞き、『ゴドーを待ちながら』のニュース・フィードには「エストラゴンさんがウラジミールさんに「Should I stay or Should I go」を捧げました」という一行が。
もちろんFacebook本家とも連動しています。
文学ジョークの本といえば、タワー・ブックスでベスト・セラーとなっているこちらも面白い。

このシリーズは映画版が発売されたんですね。楽しみ。

2009年9月7日月曜日
2009年9月2日水曜日
マンハッタンとブルックリン
まあ、今こういうスノッブなことを若いもんがやるとしたら、当然舞台はマンハッタンではなくブルックリンだよね。
セントラル・パークのかわりに、プロスペクト・パークで上がる花火。
「その気になれば私はMITの職員全員と寝られるのに」というダイアン・キートンのセリフが、「その気になれば私はn+1のスタッフ全員と寝られるのに」に変えられているところがおかしい。
「n+1」はMcSweeney'sよりも政治的でヒップな立場を標榜している、というかMcSweeney'sを敵視しているインディ文芸誌で、編集者のひとりで作家のキース・ゲッシンはマンブルコア・クラシック『Mutual Appreciation』にも俳優として出演している。
マンハッタンの予告
営業報告
ブック・ジャパンに新しい書評が掲載されています。今回は朽木ゆり子さんの『マティーニを探偵する』。

『イー・イー・イー』といえば、八王子のバーでこんな素敵な読書会企画があるようです。





