2009年1月31日土曜日

トノムラ君が好きなバンド

『ミュージック・ブレス・ユー!』に出てくる、アノラック好きでティーン・エイジ・ファン・クラブのCDを集めているトノムラ君(90年代男子ではなく、00年代後半の高校生)はきっと、今、The Pains Of Being Pure At Heartに夢中に違いない。アメリカのバンドだが。Myspace



Everything With You



 しかしトノムラ君、十五年前ならメガネの文化系プリンスとして描かれそうなキャラなのに、ただの薄ボンヤリした非モテ男子なのが素晴らしい。私くらいの年代からするとこんなにストレートなのはヒャーって感じだけれど、今の十代にとってはもう、80年代後半の音楽も60年代や70年代のものと同じくフラットに聞けてしまうものなのだろうな。
 昨年読んだ日本の新作小説で、一番面白かった『ミュージック・ブレス・ユー!』。津村さんが芥川賞を取り、この小説も広く知られているとは思うが、もっと音楽ファンに読まれていい小説だと思う。日本の同時代小説を読むと、音楽の描写に大抵ガッカリさせられるのだが、この小説にはそんなところが微塵もない。ちゃんとMyspaceやっているエモ女子のイライラした(そのくせ変なところでナイーヴな)日記文体もトレース出来ているし。音楽チャンネルに勤めている二十代女子に勧めたら、「あんまりにも自分にそっくりでびっくりして友だちに勧めたら、“あなたが書いたみたい”って言われましたー」と言っていた。ロックが好きな若い女の子なら当たり前に読んでいる、そんな定番になりそうな青春小説が出てきたのは祝福すべきこと。

2009年1月29日木曜日

悲しいニュース



domino休刊

 ノォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオ!!!!!!

 これから何を楽しみに洋雑誌売り場を訪れたらいいというの。
 何でも28日の午後に急に決まったことらしく、まだオフィシャル・サイトにも告知が出ていない。
 私がdominoを購読していたのは二年間。手持ちのバックナンバーは絶対に手放しません。それほど好きな雑誌で休刊してしまったのはマーサ・スチュワート・キッズ以来…。不況は美しくて豊かなものを奪っていく。でも、こんな時だからこそこういう雑誌は必要だと思うのよコンデナスト。確かこの手の雑誌としてはdominoは成功していたはず。エル・デコには決してない、実用とファンタジーを兼ね備えたラブリーな感覚が大好きだったのに。dominoを読んでいた時の幸せな気持ちを忘れません。大げさなように聞こえるかもしれないけれど、世界一好きな雑誌だったので…。 取りあえず、今までのベストを集め、ハウ・トゥーに落とし込んだという
書籍の方を買おう。

2009年1月28日水曜日

さよなら、ウサギ

 ジョン・アップダイクが死亡。
 実は私、ウサギシリーズをはじめとする彼の長編をほとんど読んでいない。
 ただ、
『同じ一つのドア』という短編集が好きでした。
 特に「グリニッチ・ヴィレッジに雪が降る」「いちばん幸福だったとき」「黄色いバラ」あたり。シャトー・ムートン・ロートシルトというワインについて、この短編集で初めて知ったという記憶があります。
 ところで、人に指摘されて気がついたのですが、ドン・デリーロってアップダイクと年が四つしか変わらないんですよね。それだけアップダイクは作家として早熟だったということか。

2009年1月27日火曜日

新しいデジカメ+古本写真

 トイカメラ感覚のポラロイドのデジカメ、a530を買いました。

 ヴィヴィッド・モードにすると、昔の印刷物みたいなベタっとしたカラーになって、独特の風合いが楽しめます。

 大型の古本絵本をビビッド・カラーで撮ってみる。

 ブルックリンの古本屋で買ったプロヴェンセン夫婦の『Tales from the BALLET』(Golden Press)




白鳥の湖のページ


 コッペリア、ジゼル、クルミ割り人形、火の鳥、眠れる森の美女…。ページをめくるたびに夢見心地にさせてくれる、大好きな絵本です。

 昨年の十二月、ボリショイの『白鳥の湖』を見に行った時、ロシア風の宮廷セットを見てこの絵本のことを思い出しました。

15歳の天才フォトグラファー、エレノア・ハードウィック



インタビュー記事

彼女の作品の数々はオフィシャル・サイトで。


本人も公言してやまないように、ソフィア・コッポラ・フォロワーなんだけど、本家にはない物憂げな英国乙女的イメージが素敵! 本人のメランコリックな風情がまた素晴らしくて。カーテンレールに女の子が吊り下がっている写真は最高。夢はヴォーグで写真を撮ること。ジェマ・ワードやスカーレット・ヨハンソンと仕事をすること。そんなのすぐに叶っちゃいそうだね。私はあなたと仕事がしたい。


2009年1月26日月曜日

試写メモ

『イエスマン』で印象に残ったこと
・「ジョギングしながら写真を撮る教室」というおかしなことをやっているヒロイン(ズーイー・デシャネル)が使っているのが
チェキだった。
・ハリウッド・ボウルに真夜中忍び込んで、「キャント・バイ・ミー・ラブ」を歌うデート、いいね。
・あの「面白電話博物館」は実際にイリノイにあるスポットなのだろうか。気になる。

2009年1月25日日曜日

LA VIEILLE FRANCE


 巾着型に結ばれたクレープ生地の中にマロン・クリームが入ったオモニエール・ドゥ・マロン。至福としかいいようがないタルト・タタン。

 東急東横店のスウィーツ・フェアで出合ったこの二品があまりに素晴らしかったので、千歳烏山にある本店まで行ってしまいました。駅から8分と結構遠くにあるのに、お店の中はお客さんでいっぱい。でも、それも納得。ここのケーキは本当においしい! 今回は塩キャラメルのエクレアとチョコレート・ケーキを買ったのですが、どちらも本当に素晴らしかった。塩キャラメルは塩キャラメル好きとしてパーフェクトなクリームだったし、チョコレートケーキは、口に含んだときに様々な風味が馥郁と口の中に広がる。かすかにシャリッという食感がするのは、何がはいっているのなあ。

 こことショコラティエ・ミキがあるなんて、烏山は贅沢な街だなあ!

 コンフィチュールも種類が色々あって、迷った末にイチジクに柑橘類、ナッツを入れたフィグ・オ・テと、アールグレイ風味のミルクジャムのレ・オ・テを買いました。明日の朝が楽しみ。ルバーブとか、バラ風味や、蘭(!)風味のミルクジャムも気になったなあ。食べ終わったら瓶を返しがてら、絶対にまた行く。

リチャード・イエーツの『Easter Parade』

 『レボリューショナリー・ロード』がアメリカに続き、日本でも微妙にコケていることを考えると、イエーツはもう翻訳されないんでしょうか。
 そうすると、『Easter Parade』も、もうペーパーバックで読むしかないんでしょうか。
 内容を調べたら、『レボリューショナリー・ロード』よりも面白そう。人によっては、「『RR』よりもこっちの方が傑作」との評価もあるイエーツの七十年代の作品。
「グライムズ姉妹は一生を通して決して幸せになれなかったが、振り返ってみると全ては両親の離婚に端を発しているように思えた」
 という一文で始まる本書は、最初からこれから嫌なことばかり起こりますのでそのつもりで、的な(多分)イエーツっぽさ満開の「バッドエンド版『分別と多感』」みたいな話らしい。 知的なコスモポリタンで恋愛にも積極的だけれど、どの男とも長続きしない姉のエミリーと、姉よりも美人で保守的、不幸な結婚生活に埋没していく妹のサラ。1930年代から大戦を挟んで、サラが亡くなる70年代までの女性の生き様を描いたこの作品は女性の支持者も多く、愛読者の一人グロリア・ヴァンダービルトは、「どうしてあなたはここまで女性のことを分かっているのですか」という熱烈なファンレターをイエーツに書いたとか。
 イエーツの最良の小説には、ミソジニーとフェミニズムの両面が感じられるという。
 対照的な二人の女の子が主人公の小説というのはそれだけで興味をそそるものだけれど、せめて日本でも作家的な再評価が進むといいのにと思う。日本語で読めれば私がラクだから。
 エレン・バーキンがこの小説の映画化の企画に噛んでいる様子。多分、グライムズ姉妹の破滅的な母親の役を狙っているんでしょう。

2009年1月24日土曜日

レボリューショナリー・ロード

 映画のスチールを使ったやつではなくて、Vintage Classicから出ているリチャード・イエーツの小説シリーズの表紙が素晴らしいという件について。








 もしかしてリチャード・イエーツの小説は、同時代にマンキーウィッツかダグラス・サークによって映画化されたらよかったのかもしれない。

 ようやく公開になったので、前に書いた感想も再録しておこう。


(あえてあらすじは書かず)

 今年(2008年)見たなかで、最も撮影が美しかった映画。

 『ジェシー・ジェイムズの暗殺』といい、『WALL-E』のビジュアル・コンサルタントといい、今年のベスト撮影監督は文句なしにロジャー・ディーキンズだね。

 サバービアの夫婦を襲う「絶望的な虚無感」についての小説や映画は、百を超す数ほど読ませられたり見せられたりしてきたけれど、(原作の)リチャード・イエーツの作品は中でも最もあけすけで、非情な作品だと思った。

ラスト・シーンでその非情が極まるので、これは絶対に原作の幕切れをそのまま使ったのだと思って原作本を確認したら、やはりその通りだった。

キャシー・ベイツが演じる不動産の仲介人が、ケイト・ウィンスレットに苗木を持ってくるシーンと、ラストにベイツが抱えている犬には、原作ではちゃんと意味がある。あれだけ丁寧にあのシークエンスが撮られているということは、それに付随するシーンもちゃんとあったはずなのだけれど、編集で切ったのだろう。まあ正しい判断。ラストのパートは短ければ短いほど非情さが増す。

演出は好き嫌いが分かれそう。演劇的な、あざとい上手さのオンパレード。しかも、ほとんどは(素晴らしい光が溢れる)室内で、主役二人ががなりあっているだけなので、うんざりする人も大勢いるだろう。ディカプリオは一本調子で怒鳴っているだけだし。この役が似合い、かつディカプーより大人の顔で百倍演技力がある俳優はいくらもいそうだが、その人たちでは制作にゴーが出ない。それが大人の事情。

 ケイト・ウィンスレットは、原作のイメージにぴったり(少女時代の楚々とした魅力は失われていないが、腰回りや太ももに肉が付き始めた二児の母)。それにしても、作者の、アメリカ男性の、いいやもっといえば男性全般の心に宿命的に潜んでいるミソジニーが反映された女性像であることよ。ある種のアメリカ文学には付き物のキャラ。でも日本文学にもこういう女性は大勢出てくる。ネット等で仮想敵として描かれる女性像も。(アメリカの)男たちは、女を憎んでいる。同時に、絶望的なまでに女に愛されたいと願っている。その気持ちは裏表であるどころか、何の矛盾もなくひとつに結びついているので、それを受け入れてもらえないことに、戸惑い、腹を立てたりする。私の中の男性性をフル稼働しても、そういう感情が「ある」ということを認識するのが限界なので、この感情については男性がきちんと分析して、根底にあるのは何かを解き明かして欲しい。そうすれば、男も女ももっと生きやすくなると思うのだが、どうでしょう。それでも、ケイト・ウィンスレットは頑張って、エイプリルという浅はかで夢見がちで理想主義者でタフであるが故にもろいヒロインに深みを加えている。オーストラリアのケイト対決、『ベンジャミン・バトン』のブランシェットよりは、『レボリューショナリー・ロード』のウィンスレットに軍配を上げたい。

 ディカプーが手をつける会社秘書がロリータ顔で印象に残ったので、だれかと思って調べたら噂のゾー・カザンだった。エリア・カザンの孫娘。

年月を重ねていくことはより複雑に、豊かになることではなく、ただ輝きをなくしていくことなのだというアメリカ文学らしい人生観を物語る作品だ。生前は不遇だったリチャード・イエーツ、アップダイクやヴォネガット、そしてタオ・リンが敬愛している理由がよく分かった。

SO PERCUSSION



 ヴィクトローラ改めヴィクトワールとの共演で気になった打楽器カルテット、SO PERCUSSION
この形態でやらなくてどうする!というスティーブ・ライヒの「ドラミング」も、もちろんやってます。






デニス・ディサンティスの「Shifty」を演奏するソー・パーカッション

2009年1月23日金曜日

営業報告

 Book Japanで久しぶりにレビューが上がっています。
 今回は
『植草甚一 ぼくたちの大好きなおじさん』でも触れた、ジョー・メノのエモ・ノワール、大人のためのジュブナイル、三十代になってしまった少年探偵を描く『The Boy Detective Fails』について。




 ジョー・メノは昨年、
『Demons in the Spring』というとても贅沢なコラボ本を出しています。彼の短篇にそれぞれ違うイラストレーターやグラフィック・ノヴェルのアーティストが挿絵をつけているのですが、その顔ぶれたるやすごい。
日本でも有名なチャールズ・バーンズ
ローラ・オーウェンズコディ・ハドソン、私の大好きなレイチェル・サンプター…。
中身はこんな感じ
これはジェフリー・ユージェニデスが編集したラブ・ストーリーのアンソロジー、
『My Mistress's Sparrow Is Dead』と同じく、子どものためのライティング教室、826CHICAGOの支援のために作られた本。ちゃんと読み終えたらこちらの感想も書きたいです。

 PR誌の「アスペクト」、私の連載「彼女のリトル・キングダム」は、そのシカゴで五十年代に活躍したアフリカ系女性初のカトゥーニスト、ジャッキー・オーメスについて。彼女が連載マンガに添えていた着せ替え人形が可愛くて!

 エル・オンラインでは『エレジー』レビューが公開されています。私もベン・キングスレーになって、ペネロペみたいな愛人が欲しいとマジで思いました。それくらい、この映画の彼女はきれい。個人的には前髪アリバージョンの方が好きです。


本日のミュージカル

ウィル・フェレルとアダム・マッケイのサイト、「Funny or Die」より、悪法Prop8に反対するミュージカル。
曲はマーク・シャイマン(ゲイ)、振り付けと監督はアダム・シャンクマン(ゲイ)。
ジャック・ブラックやジョン・C・ライリーが歌い踊ってプロテスト。

2009年1月22日木曜日

『愛を読むひと』のサントラ

 しまった。ノー・チェックでしたが、フィリップ・グラスの愛弟子で私の大好きな作曲家、Nico Muhlyがスコアを担当しているのですね。


 カフェ・カーライルでサントラの曲を弾くニコ・ムーリー。長らくマーリーと呼んでいましたが、発音的にはこちらの方が正しいことが判明。




 それにしても、どうして日本の映画会社はこんな邦題をつけたのでしょう。日本でも原作の『朗読者』はヒットしたのだから、そのままのタイトルでいいのに。というか、原作ファンがこれでは気がつかないでしょう。同じことが『情愛と友情』にもいえる。『ブライヅヘッドふたたび』、もしくは『回想のブライズヘッド』! これじゃイーヴリン・ウォーだってことも分からず、レンタル屋でろくに回転もしませんよ。

ポスト・アミーナ!

 注目の新進作曲家、ミッシー・マゾーリ(1980年生まれ)が率いる女性ばかりのクインテット、Victrola。
 追記:Victoireに名前が変わった模様。


 VictoireのMyspace。 ヴァイオリン、クラリネット、キーボードにミシンの音や留守電のテープなどの音を組み合わせて奏でる音楽は既に評判で、「(奏者)全員がスター級」と賛辞を送られている。ライブの写真を見ると、手風琴を使っていたりして、面白そう!
 今年の終わりか来年の初めにはファースト・アルバムが出るのだそう。
 (ヴィクトワールの方が辛口だけど)これはニューヨークのアミーナだと思ったら、myspaceのフレンドの欄にアミーナとココロジーの名前が。趣味が良くて美しくて才能のある女の子たちの群。
 ミッシー・マゾーリのオフィシャル・サイトで聞ける他の曲、オーケストラや古楽アンサンブルのための曲も素晴らしい。
 ミッシー・マゾーリやヴィクトローラ、前に取り上げたシークレット・ソサエティなどが所属するNew Amsterdam Recordsは、ニューヨークの作曲家たちが立ち上げたばかりのインディ・レーベル。アンビエント、サウンド・コラージュ、アヴァン・ポップといった、クラシックやポピュラー音楽の隙間に零れ落ちてしまう音楽をリリースしていく予定だという。ラインナップを見て、様々なアーティストの曲を視聴しているだけでときめく。しかし日本でアルバムを手に入れるのは難しそう。

Like a Miracle/Victrola




ミッシー・マゾーリによるヴィブラフォンとスティール・パンのための曲

2009年1月21日水曜日

ウィル・フェレルの『You're Welcome America』


 そういう人は大勢いると思いますが、昨日はオバマの就任演説を見てから寝ました。

 第四十四代アメリカ大統領が誕生した日は、ブッシュの退任の時でもあった訳ですが、えーと、こいつがホワイトハウスを去る前に何か聞きたいことないですか?


 ということで、実現したのがウィル・フェレルのブロードウェイ・デビューとなるワン・マン・ショー、『You're Welcome America.A Final Night with George W.Bush』


 SNL時代からの彼のファンなら知る通り、ウィル・フェレルの十八番の物真似といえばジョージ・W・ブッシュ。盟友のアダム・マッケイと組んで、フェレルがブロードウェイで披露するのは「大統領としての最後の夜、今まで答えなかった質問に答えるブッシュ」である。

 これ以上ないほどタイムリー。あの忙しいフェレルが二ヶ月以上もスケジュールを押さえたところからも熱の入り様がうかがえるが、当然プラチナ・チケットだろうなあ! DVDとか後で出ないかしら。本日からプレ公演がスタート。どんな批評が出るか楽しみだ。

本の予告編その3

 やはり翻訳されないジョシュア・フェリスの『Then We Came to The end』
 シカゴの広告会社で贅沢な生活を享受していたコピーライターやデザイナーが、インターネット業界バブル終焉と共に始まった会社改革でレイオフの危機にさらされるという話。ニック・ホーンビィに言わせると「ザ・オフィス」ミーツ・カフカ。バーセルミによって書き直された「隣のサインフェルド」。まさしく今日的な題材だと思うのですが。


2009年1月20日火曜日

本の予告編その2

 ダグラス・クープランドは予告編もスタイリッシュ。






他のクリップを見たい方はこちら
ここまで来ると、本編よりも予告の方が出来がいいのではないかと疑いたくなってくる。

本の予告編

 最近、小説など新刊書の予告編を著者や出版社のサイト、You Tubeなどで多く見かけるようになった。
 私が見た中でも、一番贅沢だったのがこの予告編である。



 ナタリー・ブルームはカレッジの最終学年。学園生活も終わりになって、自分は何一つ「学生らしい」ことをしていなかったんじゃないかと思い立つ。なかなかの美人のナタリーだけど、どういう訳か機会がなくていまだにSJ(バージン)だったのである。内気で女友だちを作ることも苦手、男子から性的対象に見られることが耐えられなくて今まで彼氏なし、休日は図書館で過ごすという日々。卒業前に恋をしたり、大はしゃぎしたりして青春を謳歌したい!と思うナタリー。ようやく理想の文化系プリンスを見つけたと思ったけれど、何だか空回りで傷つくことも多くて…という『College girl』
 カット・デニングス主演でパトリック・フジット共演、監督はポール・ワイツ。ああ良さそうな不器用文化系女子物青春映画じゃないですか。いつ公開なの?と思ったら、これが小説の予告編。




 新人作家にこんな贅沢なプロモーションをするなんてどういうこと!? 著者名を見て納得。Patricia Weitz。ワイツ姓ということは、監督の妹か従姉妹だね。道理でディアブロ・コディがいきなり推薦文を書いたりするわけだ。
Curtis Sittenfeldの
『Prep』(翻訳されませんね。されるとしたらローラ・ブッシュをモデルにした『American Wife』の方が先かな)なんかと比べられている本書、評判は悪くないようだ。本当にこのキャストとスタッフで映画化すればいいのに。

2010年代のジャズ


 カナダ人のジャズ・コンポーザー、Darcy James Arguesが率いる十八人編成のビッグ・バンド、シークレット・ソサエティ。

 オフィシャル・サイト
 Myspace




 これは素晴らしくクール! 五月にアルバムがリリースされるそうなので、出たら買う。

2009年1月19日月曜日

パーティ野郎とアン・ビーティ



 最近はJポップカバーアルバムなど出して、それでいいんですか兄貴!? なアンドリューW.K。しかし、そんな彼が何故かアン・ビーティの短篇を朗読するというこの企画はイイ! アンドリュー、朗読上手。これでリーディングCD一枚出せばいいのに。
 でも、本当にどうしてアン・ビーティ? 兄貴がファンとか? 私にとって、アン・ビーティは長らくアン・タイラーとごっちゃになる女性作家でしかなかったのだが、ここのところぐんと興味が湧いてきている。タオ・リンもアン・ビーティの大ファンで、
『Eeeee Eee Eeee』にも主人公がアン・ビーティの『Chilly Scenes of Winter』を読むシーンが出てくる。奇しくも、『Eeeee Eee Eeee』の主人公の名前も「アンドリュー」である。それにしてもサブカル男子受けする要素でもあるの? アン・ビーティに?
 日本ではビーティの小説は青山南の翻訳などで何冊か出ているが、我が家で読めるアン・ビーティの小説は、
『ドッグ・ストーリーズ』に収録されている「ディスタント・ミュージック」のみだ。ニューヨークで共同で犬を飼い、一週間ずつ交代で家に連れて帰って面倒を見ているカップルの話。やがて、男の方に別居中の妻がいることが分かって二人はギクシャクし出し、ソング・ライターとして成功した男は西海岸に引っ越してバンドの一員となる。彼女の方は犬と取り残されるが、その犬が成長するにつれ人に襲いかかる癖があることが分かり、安楽死させざるをえなくなる。男の方の来歴は何となく、ジャクソン・ブラウンを思わせる。ディテールが私好みで、いい短篇だった。
 サロン・ドット・コムの作家紹介では、アン・ビーティはいかにも70年代的だが、ジョニ・ミッチェルの
『ブルー』やジル・クレイバーグ主演の映画のようにエバーグリーンでもあると書いてある。なるほど、ビーティも他の二人と同じくほお骨の張った70年代美人。
 私がジョニ・ミッチェルの
『逃避行』の本当の良さを知ったのは、二十代後半になってからだった。今ならアン・ビーティの良さも分かると思う。『逃避行』を聞きながら『Chilly Scenes of Winter』を読んでみたい。

2009年1月17日土曜日

09年初バーガー



予告通り、初台のbase

食べたのはレッドホットチーズバーガー。

パテもバンズもおいしかったけれど、野菜がフレッシュなのにも感心した!

きのこマンガ



みをまことの『キノコキノコ』

 私、小学校に上がったばかりの頃、このマンガが大好きだったのに、すっかり存在を忘れていました。マッシュとルーム、キノコの兄弟が主人公の四コマで、キャラだけではなく、ディテールもファンシーで、時折はさまるイラスト・ポエムなんかにも6歳児のハートがキュンとしたような…(あまりに遠い記憶)
しかしよく考えるとキノコかよ! 大人になった今となっては手放しで可愛いとか言えないな! だってお前ら菌だし! それでももう一度読んでみたいようなみたくないような。

 このマンガを私に思い出させてくれたのは、飯沢耕太郎さんの
『きのこ文学大全』。アリスのきのこから、サルマタケ、マタンゴまでを網羅。
 息抜きに買った清水義範のパスティーシュ集第二巻もきのこの表紙。


『インパクトの瞬間』(ちくま文庫)

八十年代の作家という印象が強すぎてまったく読まなかった清水義範だけど、面白かった。和田誠の
『倫敦巴里』や小林信彦の『素晴らしい日本野球』ほどのエスプリはないにせよ、充分笑える。第一巻も買ってしまうかも。

2009年1月16日金曜日

営業報告

 エル・オンラインに『ザ・ムーン』レビューがアップされています。 

 大変に美しいドキュメンタリー。


mcsweeney'sの29号の表紙は月旅行のイメージ。中のページには、東欧のマッチ箱の絵柄がイラストとしてふんだんに使われている。

ポーターとペイトン

 ティーボーともう一人、是非とも画集が欲しいと思っているアメリカの画家はフェアフィールド・ポーター





 評論集とか伝記は今でも手に入るのだが…。


 エリザエス・ペイトンはしばしば、フェアフィールド・ポーターと比較される。
 ニューヨークのニュー・ミュージアムでこの前まで行われていた
展覧会
 大統領選の結果が出た翌日、ペイトンによるミシェル・オバマの肖像画が追加された。



 ケーキとパイの巨匠、ウェイン・ティーボーは(結局今日読んだ)
『Delicious』によると、ディズニーのアニメスタジオでのアルバイトが最初の仕事だそうだ。なるほど。

ケーキとパイの巨匠



静物画を写真で再現するアーティスト、シャロン・コア
これの元ネタはRaphaelle Peale

そしてこれの元ネタはWayne Thiebaud
私はウェイン・ティーボーが描くケーキやパイの油彩画が好き。ダイナーのウィンドウのラブリーさ。明るすぎる光で、少し色褪せて見えるところも素晴らしい。ノスタルジーの淡い光ではなく、焼き尽くすような日差しのもとで、全てはリアリズムを超えていく。ポップ・アートをシュールの領域に高め、スーパー・リアリズムに先行した、アメリカ的な美。



 昨年買って、まだちゃんと読んでいない。本当はきちんとした画集で欲しい。実物がみたい。


ソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』。
ケーキや靴の並べ方、色彩にティーボーの影響が感じられる。



昨年ホイットニーで開かれたレトロスペクティブの様子。
ウェイン・ティーボーは87歳、いまだ現役。ギンガムチェックのシャツが似合う。




旅行先でアホなケーキを見かけるとつい撮ってしまう。




シェルブールとロシュフォール



 

 試写で今月末に公開される、デジタル・リマスターされた『シェルブールの雨傘』と『ロシュフォールの恋人たち』を見てきました。 試写はプロジェクター上映で(劇場では違うはず)、最初はそのことを知って心の中で小さく舌打ちしたのですが、本編が始まったらそんなのどうでもよくなりました。ああ、このクオリティで『シェルブール』と『ロシュフォール』を最初に見る世代の何と幸運なことか! 既に見ている人も、絶対に劇場に見に行った方がいいです。
 『シェルブール』のドヌーヴの肌が本当にピンク色であることや、基本ノーブラなのもデジタル・リマスタリングで初めて分かりましたよ。何のホールドもなしにあんなに高い位置に乳房がついているなんて反則です。
 ジュヌビエーヴの髪型の変遷で、恋する少女から非情な運命を受け入れる女性への成長が分かるようになっているのだな。二十歳の女の子は、あの高い位置でリボンでとめている初期髪型を真似するといい。
 北京オリンピックの開会式を問題にする人の気持ちが私にはよく分からない。陶器のように美しいドヌーヴの顔にダニエル・リカーリの声だよ、最強じゃない!
 ジュヌビエーヴとママが住んでいる部屋の壁紙がいちいちサイケデリック! ギイと伯母が暮らすモスグリーンのアパートの前にある蛍光ピンクと黄色の看板がまるでバスキアみたい! と新たな発見に興奮しっぱなし。最初に見た時は『ロシュフォール』よりも地味でしっとりとしている、という印象があったのですが、そんなのは大間違いでした。一分の隙もなくルグランの音楽が敷き詰められているのですから、それだけですさまじくゴージャスです。そして十二年ぶりに見たら、物語の内容が沁みた。
 『ロシュフォール』では、大人顔のフランソワーズ・ドルレアックの頬にそばかすを発見! それが素晴らしくチャーミングで、この女優のことをますます好きになってしまいました。彼女が生きていたら、空虚なスターになってしまったドヌーヴと違って、かっこいいオババになっただろうなー。
 もう、ジョージ・チャキリスが最初のターンを決めた瞬間から、幸せ過ぎて涙が出てきて困った。MGMのミュージカルへの憧れが前面に出ている作品だけど、この、街が恋に踊り出しているというような躍動感と胸苦しいほどの幸せはドゥミの映画だけのもの。セットの中で踊り、テクニカラーで後から色づけしている本家と違って、ドゥミは街を実際にカラフルに塗り替えてしまった! 照明はいらいない。降り注ぐ光で、全ての色が輝くから。広場から、双子の姉妹の音楽教室へと移動していくカメラの動きは、分かっちゃいるけどクラクラさせられた。ハリウッドの引用。だけど、フィルターを通して使われている分、モダンに見える。むしろウェス・アンダーソンを思い出したりして。
 ダム氏の店にスウィングル・シンガースのレコードが飾ってあるのを見つけたり、ジーン・ケリーの振り付けが『巴里のアメリカ人』で彼自身が踊ったものの引用になっていることに気がついたり。結ばれる男女がかならず白い服を着ている、という法則の何と夢見がちなこと。これ撮った人が、あの愛の残酷さを描ききった『幸福』のアニエス・ヴァルダの夫なんだから、本当に不思議だ。それとジャック・ペラン。前に見た時はただただ美青年だと思っていたけれど、今回見たら、小池徹平とマイケル・セラの中間くらいの愛玩動物系に見えた。


「双子座の女は恋が得意」「洒落た会話とウィットが好き」「素敵な人を募集中」曲もいいけど、歌詞もいい!


『マーゴット・ウェディング』のニコール・キッドマン。
この帽子のイメージは『ロシュフォールの恋人たち』からの引用なのかも



2009年1月14日水曜日

気になる本




 背負えば空を自由に飛べるよロケッティア!
 21世紀はみんなこれで移動しているはずだったのに、どこにも見当たらないのはどういう訳?
 実はこの発明、NASAも開発に匙を投げるほど、効率が悪くて使えない代物だったのである。
 それでもジェットパックを背負って、空を飛ぶことを夢見る人はいまだに多い。
 莫大なお金を払って、ほんの数分間だけジェットパックで飛ぶことに命をかけている人たちもいる。
 ほんの一瞬、失われた未来を追体験するために。
 著者のマック・モンタンドンは、ジェットパックの行方を探る旅に出た。
 大変に面白そうな本だが、これは英語で読むの面倒くさそうー。
 早川書房のノンフィクション枠で翻訳するのはどうでしょう。

 Jetpack Dreamsのサイト。

この素晴らしい予告を見れば、どうしたって本の内容を知りたくなってしまう。



蒼い部屋

 大好きなインテリア雑誌、dominoの今回の特集はズーイ・デシャネルの部屋。


 濃紺の壁とストライプの壁紙、アンティークのピアノがいい感じ! 壁がこの色なのは、ズーイの目の色に合わせているのかなあ。『ショップガール』では、クレア・デインズが彼女の目の色に合わせた緑の部屋に住んでいた。

思い出すのは、一昨年泊まったニューヨークのmaritime hotel




緑の丸いタイルを敷きつめたバスルーム。

アメニティは老舗のセレクトファーマーシー、C.O.Bigelowのもの。


窓の下に見えるのはLa Bottegaのテラス席。


夜になるとぼんぼりに明かりが灯って、とてもきれい。


アメリカン・ダイナーぽい

ブルーのラインが入った食器とギンガムチェックのナプキン


朝食を頼んだらポットいっぱいのコーヒーと

ベーコンが一皿ついてきた。


大統領のアイスクリーム

ベン&ジェリーズのオバマ当選記念限定アイスクリーム「Yes Pecan!」

食べてみたい。

2009年1月13日火曜日

08年度私的ベストバーガー

1.Teddy's Bigger Burger(ハワイ)



2.Seaside Grill(The Kahala Hotel & Resort)のカハラ・バーガー(ハワイ)



3.Grass Skirt Grillのマヒ・バーガー(ハワイ)


 次点は渋谷に進出のGoro's Dinnerの炭焼きバーガーと、ご近所笹塚のAirs Burger Cafeのアボカド・バーガー。今年は初台に進出のbaseに行きたい。

 カリフォルニアのThe counter burgerも気になるグルメ・バーガー・ショップ。このフラッシュはやばすぎる! 見ているとお腹が空く。ここは客が自分でバーガーをカスタマイズするスタイル。今年の一月にハワイのカハラ・モールに進出だそう。